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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 「僕と頼子が幼馴染なのは、さっき話したと思うけど」と部長は前置きしてから、話し始める。

 頼子が同性を好きだと言うのは、割と早い時点で知っていたんだ。多分、高校くらいには知っていたかな? 僕達の間には、恋愛感情はない。どちらかと言えば、兄妹みたいな感情か、若しくは何でも話せる親友みたいなところだろうか。

 何で恋愛感情のない二人が夫婦になったかと言えば、一つは頼子の性的指向にある。同性同士では、子供は生まれない。そうなると一人っ子である頼子の家は、頼子の代で終わってしまう。

 そこで、頼子から相談を受けた。僕は「精子バンク」から、精子の提供を受けて、子供を産めばと提案した。最初は良いアイデアだと頼子も喜んでいたんだけどね。いざとなってみたら、知らない男の子供を産むのは気持ち悪いと思ったらしい。僕は女性じゃないから、女性の気持ちが分からないけど、そんなものなのかなと思った。

 僕は「だったら、僕の精子を提供しようか?」と提案した。そしたら頼子も、僕だったら気心も知れている。そして僕は頼子の一番の理解者だったからね。それならいいと言う事になった。

 生まれてくる子を私生児にするわけにはいかなから、形として籍を入れた。子供が自分の事を出来る年になるまで、取り敢えず仮初めの夫婦を演じた。とは言え、頼子はセレクトショップの開業資金を作る為に、夜の仕事をしていたし、僕は普通のサラリーマンをしていたからね。生活が重なる事は、休みの日くらいだったかな。

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