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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 僕と頼子はセックスはしていないよ。体外受精で子供を設けたからね。子供が必要な頼子が、何故、離婚後に子供を引き取っていないのかと言えば、まあ、それも頼子の性的指向にあるんだけど。一つは、その時点で仕事が軌道に載っていなかったのもあるかな。海外に買い付けに行く事も多いから、家を空ける事も多いしね。だから、子供が二十歳になるまでは、僕が育てるという事になったんだ……。

 だから、子供が二十歳になるまでは、再婚はしないつもりだった。身体だけの関係の女性は、何人かはいたけどね。でも、森脇さんに出逢ってしまった。僕は森脇さんとずっと先の未来も一緒に歩きたいなって思っているよ。だから、頼子のところに連れて来た。二十歳にはあと、数年あるけれど、アイツももう、何も出来ない子供じゃないし、頼子の所へ行っても問題はないと思ったから。

 「何か、私って龍弥を振り回してばっかりよね。本当にごめんね?」

 頼子さんは部長がアタシに説明するのを黙って聞いていたけれど、突然口を開くと、部長にそう言って謝った。部長は、「別に構わないよ。好きでやっていた事だから」と言って笑う。男女の恋愛じゃあないけれど、間違いなく部長は頼子さんの事を愛しているんだなと、アタシはそう思った。そんな頼子さんを相手に、アタシは勝てるんだろうか? って恋愛は「勝ち負け」ではないけれど。

 でも、アタシと付き合うからって、頼子さんにお子さんをお願いするのは、どうなんだろうかと思う。元々、頼子さんの為に生まれてきたお子さんなワケだけれど。部長はそれでいいんだろうか。

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