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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第3章 シーツの海に溺れて


 彼女の唇を親指でなぞると、彼女が薄く唇を開く。そして彼女は僕の名を口にする。「龍弥さん」と。心地好い彼女の声が、僕の胸を震わせる。彼女はそのまま、僕の親指を唇で食み、目を細めて僕を見降ろす。その表情が艶っぽくて、僕の胸はドキドキと弾む。

 三十年以上生きてきて、こんなにドキドキさせられた事はないかも知れない。初めて面接で会った時は、こんな風になるとは思わなかった。男としてここまで惹かれるとは。

 僕は彼女の口内に、自分の指を押し込むと、彼女の舌が僕の指に絡み付いてくる。僕は彼女の熱い舌の感触を愉しみながら、彼女の背中に手を回し、背骨に沿って手を這わす。彼女はピクンと身体を震わせ、僕の親指を口から解放すると、熱い溜息を零した。

 「龍弥さん……」

 そう言って彼女が、僕に口付けを求める。僕は彼女の項に手を添えると、引き寄せて彼女の唇を塞いだ。舌で歯列をなぞると、彼女の口が開き、僕の舌を中へと誘う。僕は彼女の誘いに乗り、舌を滑り込ませると、待っていたかの様に、彼女の舌が僕に絡みついてきた。

 (随分、大胆になったものだな)

 彼女の急激な成長に目を瞠(みは)る。つい一カ月前までは、何も知らなかった筈なのに。この成長は、部署の連中のお陰なのか、それとも僕を求めているからなのか。後者であると嬉しい。

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