
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第4章 In his arms
暫く抱き合ったまま、熱が冷めるのを待ち、欲望の後処理をすると、龍弥さんに家の前まで送って貰った。
名残惜しくて、門の前で見つめ合う。けれど、龍弥さんは「ご近所の目があるだろうから、もう行くよ」と言って、闇に紛れて素早く唇を重ね合わせると歩き出す。
時々、後ろを振り向いては、手を上げる龍弥さんに、手を振り返すのだけれど、小さくなっていく後ろ姿に寂しさを覚え、胸が切なくなる。あんなにたくさん身も心も愛して貰ったのに。アタシはなんて欲張りなんだろう。
追い掛けて行きたいけれど、そしたらまた離れられなくなる。だから、グッと我慢をして、龍弥さんの背中が見えなくなるまで見送るアタシ。
その晩は、たっぷり愛して貰えた充足感からなのか、身体が火照る事もなく、幸せな気持ちで夢の淵へと辿り着けたのだった。
