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上エッチ新幹線

第22章 財前浩平の事情②

「朋美……」

座席から腰を上げると
朋美と菜々子
そして朋美を抱いた男の三人が
俺の目の前に現れた。

朋美は黙って俺の正面に座る。

菜々子とその男は通路を隔てた
隣の座席に向かい合うように座る。

そのタイミングで列車は動き出した。

「これは……どういう……」
「夫婦として最後の旅のようね」

朋美は頬杖を付きながら
車窓から流れる景色を眺めている。

運転を好まない俺と朋美は
昔はこうして新幹線で
よく旅行をしたものだ。

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