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上エッチ新幹線

第46章 桐生彩乃の事情④

「まぁ……そんなとこかな」

何となくはぐらかす。

「見える所に付けんじゃないわよ。
これでも巻いておきなさい」

姉は首元から外したスカーフを私に渡した。

「お父さんとお母さんは居るの?」
「ママだけ。晩御飯食べていけば?」

夜まで居座るつもりはない。

「ぅぅん。すぐ帰るから」
「カレシ優先てわけか。相手はその
キスマークくん?」
「そんな名前じゃないよ。慎之助って名前」

『ガシャ───ン!!!』

玄関のすぐ脇にあるキッチンから
食器の割れる音が聞こえた。

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