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上エッチ新幹線

第46章 桐生彩乃の事情④

居たたまれなくなり
自宅のマンションへ帰ると
慎之助が玄関の外で待っていた。

「菜々子とはキッパリ別れてきた」

本当半分、嘘半分。

きょうだいの視点で慎之助の様子を窺うと
嘘も見抜けてしまう。

私の父親は後ろめたさがあったり
嘘を付いたりすると
耳がピクッと微妙に動く。

今の慎之助がまさにその状態である。

恐らく菜々子とは別れただろう。

でも……菜々子を抱いている。

そして……菜々子に想いが残っている。

「そっか。よかった」

気付かないふりをした。

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