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兄とイケないこと始めませんか?

第3章 もうどうなっても……

「ごっこ遊びしよっか?」


エアコンがききはじめたころ、壱兄が話を切り出してきた。


「ごっこ遊びって?」

「学校とか、病院とか」

「……壱兄、えっちなDVD の見すぎじゃないの?」

「……病院だと服がないなぁ、うーん」


あ、自分の世界に入っちゃってる…
私の言葉が聞こえてない。


「よし、家庭教師ごっこしましょう」

「ん?」

「さぁ、夏波さん。こちらに座ってください」


ヤル気満々だな。
なんとなく楽しそうに思えてきて、壱兄にノってあげる。


「先生ー、今日はどこやるんですか?」

「では、この問題を解いて下さい」

ドサッ

「……え」

壱兄は私の目の前に数学のテキストを広げた。

「間違えたら……お仕置きです」

「えっ…本当に解くの?私、数学苦手な」

「つべこべ言ってはいけません」

「うぅ……」

ベクトル……えっと……aベクトルとbベクトルで……
とりあえず真面目に問題に取り組んでみた。

「ぶーっ!!」

「えっ」

3問目を解いたところだった。 

「夏波さん、不正解です」

壱兄の口角が怪しげに持ち上がった。

「……お仕置きですね」

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