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天気予報の恋人

第10章 chapter 10


お母さんは、俺の何がそんなに嫌なんだろう

そこまで嫌うのは、何でなんだろう


…それが分かれば、俺も吹っ切る事が出来るのかな

バカみたいに、「愛して貰えるかも」なんて思わなくて済むのかな



逆らった事なんか殆どなかった

思いきり叩かれてからは

すぐに「ごめんなさい」って謝って、お母さんの言う通りにしてたし

仕事で殆ど家にいないお父さんには、甘えた事もワガママ言った事もない



…それじゃあ、いけなかったの?


だけど、時々優しい時もあった

一緒に手を繋いで、買い物行ったり
お腹をトントンして寝かせてくれたり



思い出してしまった駅での、…お母さんの顔

ー…あ、ヤバイ


そう思った時には鼻の奥がツンとして
…じわっと涙が滲んでしまった


「泣けよ」

「え…」

「どんだけ泣いても、喚いてもいいんだよ」

「まーくん…」

キュッと唇を噛み締める
そうしないと、ダメな気がして

だけど

「全部俺が受けとめるから、…大丈夫だから」

その一言で、再び涙が溢れだして

もう、それを止める事が出来なくなった


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