天気予報の恋人
第10章 chapter 10
夜だから、外からも車の中は良く見えてないし
声を出しても外には聞こえない
それに、まーくんが傍にいてくれるから
みっともないとか
恥ずかしいとか
そんな気持ちは棄てて、…思いきり泣いた
小さな子供みたいに、ただひたすら声を上げて
流れる涙をそのままにして
声が枯れるまで、泣き続けた
ずっとまーくんは、手を繋いでてくれて
俺には何も話しかける事もなく、見守ってくれていた
「かず…着いたよ」
繋がれた手を何度か揺すられて
自分が泣き疲れて寝てしまった事に気が付いた
「あ…俺…?」
「寝てたよ」
フフ、とまーくんが笑うと
「あーあ…目が凄い事になっちゃったね」
そう言って目蓋に軽くキスをした
ルームライトを付けて、ミラーをずらして確認してみる
「本当だ…すっごいブサイク」
思わず吹き出したら
「大丈夫、可愛いから」
まーくんが楽しそうに笑った
「顔洗ってから、冷やそうね」
行くよ、とドアロックを解除する
「うん…」
俺は、後ろに投げたカバンを掴んでから
車を降りた