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天気予報の恋人

第11章 chapter 11




風呂から出ると、かずはリビングのソファーでうたた寝をしていた

ソファーの上なのに、膝を抱えて眠る姿は
まるで小さい子どもみたいで

…小学生の頃のかずを見てるみたいだった


小さく丸くなって眠るのは、自分を守る為の無意識の格好だと、前に誰かから聞いた事がある


もしかしてかずは
ここで暮らすようになってからも
…小さくなって眠ってたのかも知れないな

寝姿を見てないから、分からないけど
かずが手足を伸ばして眠る姿は想像できない


起こさないように、静かに隣に腰を降ろして
かずの頭をそっと撫でると

ぴくり、と肩が動いて

「んー…?」

ゆっくりと目を開けた


電気の明るさに、何度か瞬きを繰り返す
拗ねたように唇を尖らすのは
…多分昔からの、癖


「あ…俺、寝てた?」
「どうみても寝てたよ」

頭に置いた手はそのままで、更に撫でてたら
かずの目が気持ち良さそうに細められる

体は大人に近付いていても
まだ、心はそれに追い付いてない

その危うさが、かずの心を不安定にさせている





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