
天気予報の恋人
第11章 chapter 11
「いつまでも…ここにいたら風邪引くよ」
「だって、まーくん待ってた」
かずが、手をグーッと前に伸ばす
上に上げないのは
…俺の手が、離れないようにしたから
一つ一つの仕草が、俺に甘えているのが伝わる
「そっか、お待たせ」
「そうだよ」
かずがにっこりと笑った
「…寝よ?」
そう言って、俺の手を取ったかずが
ソファーから立ち上がる
ひんやりとしたかずの手に驚いて
思わずその手をギュッと握った
「まーくん?」
「…冷たくなってる」
「平気だよ、これくらい」
心配する俺に
かずが、苦笑いを浮かべた
「…で、どこで寝るの?」
俺の部屋も、かずの部屋も
ベッドはシングルだから一緒に寝るには狭い
どちらで寝るにしても、床に1組敷かないといけないんだけど…
「まーくんの、部屋がいい」
きっぱりとかずが言った
「ん、なら布団持ってかなきゃね」
「いらない」
「…え?」
「布団、いらない」
