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天気予報の恋人

第11章 chapter 11


キュッと唇を結んだかずの目尻が、ほんのり赤い

「…シングルだから、狭いよ
くっついて寝ると暑いんじゃない?」

暗に
ー…くっついて寝るのは、色々な意味でキツい事を仄めかす


だけど

「いい。…傍で寝たい」

ダメ?なんて上目遣いされたら

…特に今日みたいな日は

茶化す事も、断る事もできるわけなくて



「ベッドから落ちても知らないぞ」

必死に冗談めかして笑って見せる

「平気。前みたいにしてもらうから」



それって…腕枕の事?



…眠剤、やっぱり欲しかったかも


だって、帰ってからもずっと

あのキスが
頭から、離れていかない



「…かずは甘えただね」

わざと、明るい声色で言う
ドキドキしてる胸の内が、知られないように

「……」

だけどかずの顔は益々赤みを増している

握った手も、熱くなってきてるんだけど…



それは、かずも「大人」として見て貰いたいって事なの?

そうなる事を


…望んでるの?

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