天気予報の恋人
第1章 chapter 1
部屋に戻ると
かずがベッドからいなくなっていた
「かずっ?」
焦って暗い部屋を見回す。
次第に目が暗闇に慣れてきて
窓の下で膝を抱えて小さくなっているかずを見つけて
…思わず安堵の息を吐いた
「かず、どうしたの」
ゆっくりと目の前にしゃがんで、その顔を覗き込む。
でも、何も言わずにかずはじっと俺を見つめ返した。
「寝よ。…おいで」
手を差し伸べたら、待っていたかのように
素直にそれを握ってくる
ゆっくりとかずを立ち上がらせて
手を繋いだまま一緒にベッドまで歩いた
自分のベッドに行こうとして、手を離そうとすると
かずがそれを離すまいと
握る手にギュッと力を入れた。
「…一緒に寝る?」
そう言ったら、かずは無言のまま
俺のベッドにさっさと潜り込んだ
「ふふ」
かずの不器用な甘え方が可愛くて
思わず笑ってしまう
俺も狭いベッドに体を滑り込ませると
かずが落ちないように、自分の方に引き寄せた