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天気予報の恋人

第13章 chapter 13


「智んとこに、潤もいるから

…10時には着くように来てだって」

先生が、俺とまーくんを交互に見る

まーくんは、いつも通りに勢い良くご飯を食べているけど
俺はどうしても意識してしまって、ぎこちなくなってしまう

「和也、食べないの?」
先生が、心配そうに俺の顔を覗き込む

「あ、ううん、食べる」

慌てて箸を持ち直して、お茶碗を手に取った
先生に、心配はかけちゃいけない

いつも通りにしなきゃダメだよ、なんて自分に言い聞かせて、俺はご飯を口に運んだ


「雅紀」
先生がまーくんに視線を移す

「なに?」
目だけを先生に向けたまーくん


「…ほどほどにしろよな」

その、先生の言葉に
まーくんが、飲もうとした味噌汁を噴き出した

「何やってんだよ、雅紀」
先生が呆れたように布巾をまーくんに渡す

「だって翔ちゃんが…っ」

溢したとこを拭きながら、まーくんが焦ったように言ったら


「…聞こえちゃったんだよ」

その言葉の意味に気付いて、俺も真っ赤になってしまった



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