天気予報の恋人
第13章 chapter 13
車はどんどん山道に入って行った
途中、何となく知ってる景色に思えてきて
…何か分かるかも、とじっと外を見つめていたら
「分かった!」
潤くんが、突然大きな声を出した
「あ、潤は分かったか」
隣でリーダーが笑う
…まだ分からないのは俺だけになって
何だか面白くなくなってきてしまった
「かず、拗ねないの」
まーくんが、左手で俺の頬をつつく
「だって…」
「かず、ずっとゲームしてたもん
…景色なんて、殆ど見てなかったんじゃない?」
まーくんのその言葉で
ようやく俺も、行先が分かった
多分、いや間違いない
「まーくん!分かった!」
「どこだと思う?」
リーダーが後ろから聞いてくる
「「泉の里!」」
俺と、潤くんの声がダブった
「んふふ、正解」
リーダーが、何だか凄く嬉しそうに見えた
「でも何でまた…」
場所は分かっても、行く意味までは分からないまーくんは不思議そうにしていて
「ん、原点回帰ってやつかな」
リーダーの答えは、益々分からなかった