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天気予報の恋人

第14章 chapter 14


「あ…っ!」

竿がグンッと撓りを見せた

「まーくん!掛かった!!」
嬉しくて、すぐにまーくんに伝えると

「網取ってくるから」

すぐにまーくんが立ち上がった


…これ、この状況って

どうしよう、また思い出してしまった
あの時、竿が引っ張られて川に落ちた事を

途端に恐くなってくる
竿を握る手が震えてきた

だけど

さっき、まーくんはわざと川に落ちたフリまでしてくれた
嫌な思い出を変えようって言ってくれた


ー…絶対離さないから!

俺は必死に竿を掴んで、まーくんが戻ってくるのを待った
小学生の頃よりは力だってある


「かず!」
まーくんが、網を持って戻ってきた

魚はさっきより水面に見えてきている

「後ちょっとだよ、かず…頑張れ!」
網を水面に構えたまーくんが、魚を捉えようと動き出す


「入った!!」
魚が跳ねた瞬間、まーくんが咄嗟に網に掬い取って
初めて魚を釣る事が出来た


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