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天気予報の恋人

第15章 chapter 15



「ちょっとでいいから…このままでいて」
かずが胸元に顔を埋めて呟いた

しがみつくかずの背中に腕を回す

何回か擦った後、ギュッと抱き締めたら


「…ずっと……」
"まーくんの傍にいたい"

かずの声が、震えていた

さっきまで楽しそうにしてたのに、いきなりこうなるのは

まだ心が不安定な証拠だ

多分自分でも、分からない感情の起伏の波

こればかりは時間を掛けて行くしかない


前に、心療内科を受診してはどうかと言う話もあったけど

かずが頑なに拒否した為、それは出来ないでいる


そもそも、小学生のあの時点で、児童精神科が必要な状況だったのに

誰もそれをしなかった

いや、させてもらえなかったんだ


翔ちゃんやリーダーは何度もかずの親と面談を繰り返してた

だけどそれも叶わず、何年も経っているんだから

翔ちゃん達は、医師に頼らない別の何かを色々と模索していた

それが、リーダーの言ってた今日の真実


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