天気予報の恋人
第15章 chapter 15
楽しさの上書きも、子どもに戻らせるのも
気持ちを少しでも外に出させる為
かずが言葉にして望んだ事は、出来る限り叶えてあげてくれ、とリーダーに言われた
…でもね、
俺は翔ちゃん達みたいに勉強しているわけじゃないから
どこまで叶えていいのか、分からなくなってしまう事がある
一線を越えてしまってからは…特にそれが難しかった
しばらく抱き締めていたら、かずがもぞもぞ動き出した
「ありがと、まーくん…」
ゆっくりと顔を上げて笑って見せるけど
その目はまだ不安げに揺れていて
…涙目になっていた
「もっと、こうしててもいいよ?」
かずの頭を撫でる
「…じゃあ、もうちょっとだけ…」
素直に再びしがみついた
胸に掛かるかずの吐息に、正直ドキドキしてしまっている
でもここは、我慢するしか俺には選択肢はないわけで
ー…なかなかキツイぞ、これ
俺は苦笑して空を見上げていた