
天気予報の恋人
第15章 chapter 15
自分からキスをねだった時と
俺からされたキスの時のかずのギャップが大きすぎる
今、かずは真っ赤になってワタワタしていて
挙動不審に視線をあちこちに彷徨せていて
その仕草が可愛くて仕方ない
「かず、おいで」
離してしまった手をもう一度差し出したら
かずはチラッと俺を見てから
赤い顔のまま、その手を握ってきた
離さないようにと、ギュッと握ると
同じように握り返す
この穏やかな時間がずっと続いて欲しい
そう思わずにはいられなかった
かずが、空いている手で目を擦っている
…そう言えば、眠いって言ってたんだっけ
「かず、ごめん……戻ろ」
可哀想な事をしちゃったな、とかずの手を引いて
促した
「…うん」
素直に歩き始めるかずは
…よほど眠いのか、足取りが覚束無くなっている
何もない土の上なのに、転びそうになったり
手の力が抜けたと思ったら目を閉じていたり
本当に小さな子どもみたいだな
…クスクス笑いが止まらなくなった
