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天気予報の恋人

第15章 chapter 15


「かず、おんぶしようか?」

よろよろするかずが危なっかしくて
手を引く俺もつい、つられてこけそうになってしまう


「うん、…して」

恥ずかしいより、眠い方が上回っているようだ
かずが素直に頷いた


立ち止まると
こてん、と肩に頭を預けてくる

敵わないよ、かずには…


かずを背中に凭れさせ、両足を持って持ち上げる

ふわりと持ち上がったかずは、自分でもぞもぞ動いて
ピッタリ来る位置に体をずらした


ー…また、軽くなった気がするのは気のせいかな

ゆっくり歩き始めると、すぐに規則正しい呼吸音

「ふふ」

あまりの幼さに思わず声が出てしまった

こうして眠れるって事は、良い事なんだよね

安心してるって思っていいんだよね



保護者の気分になったり

恋人の気分になったり

…俺もなかなか落ち着いてないじゃん
なんて考えたら苦笑が浮かんだ


だけど振り回されるのが嬉しい

相手がかず、なら…




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