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天気予報の恋人

第15章 chapter 15



なるべく揺らさないように、慎重に歩く

視線の先に見える川には

…まだはしゃいでる潤と、リーダーの姿

多分本来の「魚釣り」なんて消え去ってる感じ

沈められても笑ってるところを見れば
潤は、元々は水への抵抗は少なかったんだろうな

まあ、あの時落ちたのはかずの方だから
当然と言えば当然か


俺たちを見つけたリーダーが手を振ってきた

そして、おんぶされてるかずに気付いて
"寝てるの?" と両手を合わせて片頬に当てる仕草をしてみせる

その首を傾げた姿に思わず吹き出した


リーダーの後ろから一緒にみてた潤が、川に沈められる
…何か余計な事でも言ったか?


いつまでもじゃれる二人に、口パクで "先に戻る" と伝え
俺は再び歩き始めた



「ん……」

時々かずが吐息とともに声を出す

その吐息が首に掛かる度に、体が震えそうになるのを必死に抑える


…だから俺だって、そこまで大人じゃないんだよ






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