
天気予報の恋人
第15章 chapter 15
空調の音だけが響く、静かなリビング
俺は柔らかいラグを敷いた上に、そっとかずを降ろした
背中のぬくもりが消えた瞬間、何とも言えない気持ちに襲われる
かずもまた、支えがなくなった事で
降ろされてすぐに、うっすらと目を開けた
「…まーくん?」
「寝てて、いいよ」
安心させるように、頭のすぐ横に腰を降ろしてやる
寝起きがやたら人恋しくなるのを知ってるから
髪を撫でていけば、またすぐに瞳を閉じる
気持ち良さそうにしている顔を見るだけで、自分も幸せな気分になれた
「っ、かず?」
俺の方に向きを変えたかずが、足を投げ出して座る俺の腰に右手を回してきた
「…いっしょ……」
「え?」
だらんと右手を預け、半分夢の中にいながら
「いっしょに、寝よ…」
それだけ言って、すぐに立つ規則正しい寝息
…無意識に煽りすぎなんだよ
抑えられなくなったらどうすんだよ
でも、甘えてくるかずには逆らえないんだから仕方無い
かずの手を静かに降ろし、俺もかずの隣に体を横たえた
