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天気予報の恋人

第15章 chapter 15


起こさないように、頭の下に腕を入れると

すぐにもぞもぞ動いて俺の胸にぴったりとくっついてきた

かずの右手は俺のシャツを力なく握っている

自分の体の下になってる左手…起きたら痺れてるかもね、なんて少し思って苦笑して

俺の右手はかずの枕になって、動かないように引き寄せる

空いた左手も、かずの背中にしっかり回して
抱き締めるようにしていた


顔を埋めていたかずが、空気を求めるように少し上を向く

小さく開いた唇に、思わず目を奪われた

もう、何度か重ねたそれは
いつだって自分を夢中にさせてしまう

その柔らかい感触が、思考を奪う




ちょっとだけ…

誰もいない、今だから

ごめんね


俺はそっと、かずの唇に自分のそれを触れさせた


もっと激しいキスもしてるのに
体だって重ねたのに

いつもこの瞬間はドキドキが止まらない

まるでファーストキスみたいに、震えるのは何でだろう

大切すぎると、そうなってしまうもんなのかな


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