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天気予報の恋人

第15章 chapter 15



かずのぬくもりが心地好くて
俺も目を閉じて、ウトウトしていた

眠ってはいないから、外の音に神経だけは研ぎ澄ませている

…まだ、潤の事も分からないから

かずが傷付く可能性は少しでも取り除いてあげたかった

誰かの気配がしたら、とりあえずはかずから離れないといけない

…なんて考えていたけど

それよりも先に、かずがパチッと目を覚ました



「あれ?俺…」
腕の中で、目をパチパチさせている

「起きた?」
髪を撫でると、俺と目を合わせてきたかずは

「…まーくん?」
"何だか分からない" と言った顔をした


「おんぶなんて、何年振りかな」
俺がそう言うと

思い出したのか、途端に顔を赤くさせた

腕の中のかずが離れようと身動ぎするから、離れないように抱き締める

「ごめんなさい…」

何故かかずが謝ってきた

「…何が?」

「おんぶ…」

その顔は、凄く照れてるようにも見える
…これまでの "ごめんなさい "とは違っている気がした







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