天気予報の恋人
第15章 chapter 15
「気にしないの、…かずはもっと甘えていいんだから」
「でも…」
「いいって!…ほら、おいで?」
少し離れたかずをまたギュッと抱き締めた
…勿論外の音には神経を尖らせて
「うん」
かずがおとなしく腕に納まる
そして
何を話すわけでもなく
ただゆったりとした時間を目を閉じて楽しんでいた
こういう時間が、本当は一番必要なのかもしれないな
…かずには特に
外から、人の声が聞こえてきた
リーダーと潤だ
"起きよ、帰ってきた "とかずに言って
素早く離れる
そして玄関が開く前に
「顔洗ってくる!」
と、かずは洗面所に向かった
ドアが開いて、笑いながら二人が入ってくる
「あれ、かずなりは?」
入って早々に、リーダーが訊ねてきた
「寝てたからって顔洗いに行ったよ」
「そっか」
リーダーもそれ以上は何も聞かない
「釣れたの?」
潤が手に持ってるバケツに視線を移し、それからその顔を見ると
「すごいんだよ!」
潤が子どもみたいに笑った