天気予報の恋人
第16章 chapter 16
「それさ、俺が入ったら余計にダメだって言いたい訳?」
これまで黙ったままだった潤くんが、どこか悲しそうにまーくんを見た
「ああ、ごめんね潤
それは違う
…潤がどうとかじゃなくて、ずっと考えてたんだ」
すぐにまーくんが否定する
だけど潤くんは納得してないみたいだ
「だって…!」と今にもまーくんに掴み掛かりそうになってる
「雅紀…でもさ、家賃とか生活費は?」
落ち着きを取り戻した先生が潤くんを宥めながらまーくんに訊ねた
「俺のバイトと…情けないけど就職まで家賃は親に借りる」
「おばさんたちは…」
「知ってる。…かずの為ならって了解してくれた」
「…もうそこまで動いてんのかよ」
先生が額を抑えてる
…俺はと言えば
正直訳が分からなくなっていた
ただ分かったのは
まーくんと離れる話じゃないって事だけ
今の俺には
それだけで充分だったんだ
「で、お前のお願いはつまりは…」
「うん。何かあったら、あくまでうちに遊びに来ていたってしてほしいだけ」