天気予報の恋人
第18章 chapter 18
「今日は遅くなるから、先に寝ててね」
家を出る時に、まーくんから玄関先で言われた
あれ?
今日はバイトじゃないはず
「うん、…何かあるの?」
ただ、当たり前に聞いただけなのに
…まーくんの顔が一瞬変わった
だけどすぐに、いつもの笑顔で
「学祭の話し合いがあるんだ」
って返されたから、俺もそれ以上は聞けなくて
本当は違うんじゃないかって思っていた
まーくんは、隠し事が下手だ
良く先生達も言ってたけど、一緒にいるようになってから、それが分かるようになった
それこそ、くだらない事でもすぐバレて先生に笑われたりなんてのもしょっちゅうで
でも…
今日のは『くだらない事』ではない気がする
まーくんの、あの一瞬の顔が
…本当に苦しそうに見えたから
まーくんは、ああ言ったけど
寝ないで待ってようか
だけど待っていて、聞いたところで
誤魔化されるのも目に見えてるし
どうしようもない不安が
俺の心を支配しようとしていた