天気予報の恋人
第19章 chapter last
4ヶ月に1度、「特別児童扶養手当」として15万近いお金が勝手に入ってくる
そして、「在宅」にしておけばそれの手当も微々たるものだが入ってくる
疑われないように、学校でいじめられたのを理由にして
翔ちゃんたちの、サマースクールへも参加させた
参加理由は
『他人とのコミュニケーションが図れない』
勿論、申し込みの際に手帳の事は聞いていた
だけど、どう見ても「重度」には思えなかった翔ちゃんとリーダーが
敢えてかずのお世話に俺を選んだと言っていた
俺なら何か掴めるかもと……そこはリーダーの直感らしいけど
だからそんなこんなで、かずが施設から翔ちゃんの所に移るのは
むしろ、かずの親には好都合だった
「施設」になれば在宅の手当が入らないけど
翔ちゃんの自宅なら、「自分の家にいる」と偽れる
それもあって、進学とか「親」が必要となる場面でやたらと口を挟んできたんだ
さも、自分達が見ているかのように