天気予報の恋人
第19章 chapter last
そして、俺の独断だった
かずの事を思うあまり、2人で暮らす事を決めたのは
正直、あの時はそんな深い事情は知らなくて
ただ、潤との関わりに心配があったから
…そんな、浅はかな考えだった
2人なら、かずを守れる
それが根拠のない、子供染みた発想だったと思い知らされた
かずの両親が、俺とかずが2人で暮らしたと知り
最初にしたことは、翔ちゃん達への脅しとも言える訴えだった
「大事な息子を、他人の男と住まわせて慰みものにしている」と
どれだけ違うと説明しても、それを証明できるものがない
あちらの要求は、言わずもがな「金」
埒が開かなければ俺の親に……
つまりは相葉の自宅にも迷惑が掛かる
唯一幸いだったのが
向こうも完全な確固たる証拠と言うものを持っていなかった事
だったら…
俺とかずの接触自体をなくして
かずの親がかずに執着をなくす「時」
…戸籍を抜く事ができる20歳まで、完全に離れる手段を選んだ