天気予報の恋人
第2章 chapter 2
一生懸命走った
後ろでお母さんが僕を呼んでるのが聞こえたけど
そんなのはどうでもいい
まーくんが泣いてるのに
バイバイなんか出来ない
「まーくん!!」
…初めて、大きな声が出せた
まーくんが、凄くびっくりした顔をしてる
「まーくん!」
僕は思いきり、まーくんに飛び付いた
勢い付けすぎて
まーくんは僕と一緒に
後ろに倒れそうになったけど
…近くにいた、翔先生が
僕達を支えてくれた
セーフ!と先生が笑う
まーくんはまだ、びっくり顔のままで
「…かず?」
「ダメなの」
「え?」
「まーくんは、泣いちゃダメ」
笑顔じゃなきゃダメ
いつもいつも
笑ってなきゃ、嫌だよ
「僕、帰らないから」
「かず?」
「まーくんと、一緒にいる!」
僕は力いっぱい
まーくんにギューッとしがみついた
「翔ちゃん…」
困ったように、まーくんが先生を見てる
「ちょっと待ってて」
先生は、まーくんと僕の頭をポンポンして
向こうにいるお母さんのとこに
走っていった