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天気予報の恋人

第1章 chapter 1


だけど

「お前は3番目!…ったく、皆恐がるからもう少しおとなしくしろよ」

先生の言葉に、ゲームをする手が止まった


3番目…

僕の横だ


のろのろと顔を上げて見ると

「…わっ!」

いきなりにこにこと俺を覗き込む人の姿が目の前にあって

思わず大きな声を上げてしまった


「俺、隣だからさ。よろしくね!」

…中学生くらいかな

先生と気軽に話しているって事は「参加者」ではないのかも知れない


「あ…」

そうだ、この人隣だった

急いではみ出してる荷物を自分の方に引き寄せて
スペースを作り、何となく自分も端っこに寄る


「ふふ、ありがとね」

その様子を見てたのか、その人はどこか嬉しそうに僕の隣に座った



「君…初参加だよね?」

「…はい」

「だよね、初めて見る顔だから」

話し掛けられるのは、苦手だ

思わず手元のゲームに目を落とす


「ここに来たのは自分の意思?それとも親?」

「え…」



…何でそんな事聞くの?



それに

その質問をした時のこの人は


何でそんなに

真剣な顔をしてるんだろう



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