天気予報の恋人
第1章 chapter 1
「あ…ごめん!…そんな事いきなり聞かれても困るよね」
どう答えて良いのか戸惑った僕を見て
慌てて謝るその人の顔は,…本当に申し訳なさそうで
僕は思わず首を横に振った
「ごめんねマジで。…あ、俺ね相葉雅紀って言うの。今中2!」
よろしくね!と俺を見つめてにっこりと笑う
やっぱり歳上だった
じゃあ、無視はしちゃマズイかな
怒られたら嫌だし
「二宮…和也です」
それだけを小さな声で、視線を合わすことなく答えたら
いきなり両手で頬を挟まれて、グイッと相葉さんの方に向かせられた
「な…っ!」
何すんだよ!と言おうとしたけど、思いの外、相葉さんの顔が近くて
僕は思わず真っ赤になってしまった
「ちゃんと目を見て、答えようね?」
笑っているけど、そう言っている目は真剣そのもので
「…ごめんなさい」
何だか
久しぶりに「自分」を見てくれてる気がしたのは
何でだろう…
相葉さんは
まだ頬を挟んだまま
「何年生?」
「5年」
「そっか。…不安とかある?」
じっと目を見る
「…分かんない」