テキストサイズ

天気予報の恋人

第4章 chapter 4


「どうしたの?」

「別に…何でもないよ?」


にっこり笑ってごまかすけど

じーっと見るかずは

納得してないような顔をしている


「何でもないって。ほら、テレビ見よ」

かずの顔を無理矢理前に戻させて

ひとつ、溜め息をついた






昼飯を食べた後

俺は約束通り、かずを連れて外に出た

クレープを食べさせる為だ



かずは相変わらず食が細い

だから

昼飯も、これが待ってるからと

おにぎりを1つしか食べなかった



「まだ、食べれない?」

「…うん」


外では手を繋がないけど

どこかに触れていたいかずは

俺のシャツの裾を掴んでいる


「だからそんなに細っこいんだよ」

暗くさせないように、わざとからかうように言うと


「しょうがないでしょ!入んないんだから」

かずが唇を尖らせる


可愛くて仕方ない

弟ってこんな感じなのかな



…でも、弟なら

ドキドキしたりはしないか

何なんだろう

俺の、この気持ちは



ストーリーメニュー

TOPTOPへ