天気予報の恋人
第4章 chapter 4
「あれ…?」
店の前の違和感に立ち止まった
あー…マジか
シャッターの代わりのカーテンがぴっちりと閉まっている
「かず…ごめん」
「え?」
「…店、休みだ」
「いいよ、帰ろ」
やけにあっさりと
シャツを掴んだまま、かずは向きを変えた
必然的に自分もそれに従うと
今度はかずが
先導をきるように歩き始めた
「かず?」
「外…やだ」
「え?」
「怖い…」
何かに怯えた横顔
「早く、帰ろ」
シャツを掴んでいる手に、力が入る
いきなりのかずの変化に戸惑ったけど
こんな不安げな状態で引き留めるわけにも行かない
かずの願い通り、早く戻った方が良さそうだ
「かず」
真横について、その細い肩を抱いた
シャツを掴んでいるよりも、この方が安心できると思ったから
「大丈夫だから…」
かずが、唇を噛み締めた
だけど
すぐにホッとしたような溜め息
「行こ」
肩を抱いたまま、少し早歩きで
マンションに戻った