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天気予報の恋人

第5章 chapter 5


「…くん、まーくん」

体を揺する感覚で

「あ…」

自分がそのままベッドの下に寝てしまってた事に気が付いた


「どうして下にいるの?」

目を擦りながら、かずが不思議そうな顔をした


「ん…何でもないよ」

そう答えてから、時計を見たら

まだ夜中だった


「…ほら、まだ夜中だから寝よ?」

かずの頭を撫でる


「…まーくんは?」

不安そうな瞳

「ん…寝るよ」

俺はかずを安心させたくて、笑って見せた


「一緒に寝て」

かずが俺のシャツの肩口をキュッと掴んだ



…今まで当たり前に一緒に寝てたんだ

それを断れるわけなんかない

しかも、こんな瞳をしたかずを

1人になんて出来ない



まして今日は

外出で恐怖を感じて

帰ったら帰ったで、潤くんの話だ…

彼がどうなってるかまでは聞けてないけど

笑って再会できる状況じゃないのは

想像に難くない


分かってる

分かってるけど…

自分の気持ちがはっきりしてしまった今

それを隠せる程

俺はまだ大人じゃない



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