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天気予報の恋人

第1章 chapter 1



「ふぇ…っ」

喉の奥からしゃくりあげてきて息苦しくなる


ずっと、泣いてなかったからか止め方も分かんない





「かず…やっぱり俺のせい?」

心配そうな相葉さんの声に

“違う!“ と必死に首を振って否定する


「ちが…っ」

何とか嗚咽の合間に、声に出す事が出来た

だけど相葉さんの顔はまだ困ってる


「かず…いっぱい泣きな。ここは素直になって良いとこなんだから」

ー…無理はしちゃダメだよ


困った顔なのに、その優しい声に導かれるかのように

僕は相葉さんのTシャツを握りしめて



…思いきり、泣いた






「雅紀、やっぱりお前って不思議だよ」


泣き疲れて、いつの間にか相葉さんの膝の上で寝てた僕は

頭の上での会話で目を醒ました

でも

何だか邪魔しちゃいけない気がして

そのまま寝たフリをして、聞き耳を立てる


「んー…自分じゃ分かんないけど」

相葉さんが笑っている

困った顔は、きっとしてない

「それがいいのかねぇ。…この子は闇が深そうだけど」


…「この子」って僕の事?

「涙を引き出せたなら、大丈夫かな」

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