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君が教えてくれたこと。

第2章 初めての感情。

悲しい過去。
美夜side

「お前。もう飽きたわ。」
愛し合っていると思っていた_____。
今から3年前の春。
私は3つ上の彼氏と付き合っていた。
「愛してる。」
「大好きだよ。」
「会いたい。」
いつも言ってくれていた。
「美夜。もう。我慢できない。」
彼は会うと度々体を求めてきていた。
相手は高校3年生。
仕方ないと思っていた。
私は求められていると思っていた。
愛されていると_____。
とても幸せだった。
彼のことが本当に大好きだった。
それなのに_____。
「別れて。」
突然の彼からの別れの言葉。
「どうして?」
私は真っ白になった頭で必死に言葉を発する。
「就職が近くてお前まで頭がまわらない。」
彼はそう言うが、私はよく分からなかった。
「就職で忙しくたってそれを支え合うのが恋人なんじゃないの?今までやってこれたんだから、これからも私達ならやっていけるよ!」
私は必死に繋ぎ止めようとする。
その言葉を聞いた彼の態度は急変した。
「めんどくせぇ。ハッキリ言ってさぁ。お前もう。飽きたわ。( 笑 )」
彼は鼻で笑い、そう言い放つ。
「ねーぇーまだぁ?」
電話の向こうで女の人の声がする。
「ちょっと待ってねぇ。元カノがうるさくてさぁ。ほんとめんどくさい女は嫌い♡」
彼はその女に甘えた声で言う。
「じゃーな。」
彼はそう言って電話を切った_____。
私の頭はグチャグチャになった。
殺意さえ覚えた。
怒りと悲しみと寂しさと。
そして過去の楽しかった思い出がどんどん頭に浮かぶ。
どこに当てればいいのかも分からず、私はただただ泣きじゃくった。
その悲しみから立ち直る時、私は人を愛する気持ちを箱に入れ、何重にも鍵をかけた_____。

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