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マッサージを再開した咲は
巧がまた身体にタッチをしてくるのを
避けるために
マッサージを続けながら
世間話を始めた。

巧はそのなかで
咲に
ラーメン屋台ひとつから
今の【わきあいあい屋】という
誰もが知るラーメンチェーン店を築き上げた
経緯を自慢気に話始めた

『あ!!相武【ｱｲﾌﾞ】さんだから、あいあい屋だったんですね。』
と咲が巧に話しかけると

『そんなんだよ。なんか安直や屋号でしょ』
と巧が照れながら
咲に答えた

『でもね…。ラーメンを囲んでさ、家族が笑顔でその日の出来事を楽しく喋りながらごはんを食べる姿を見たくてね、それでラーメン屋はじめたんだよ。』
と巧は懐かしげに話した。

『たけど……。俺は他人様の家族のわきあいあいを作れても、自分の家族の和気あいあいは作れなかったよ……』
と自嘲気味に語った。

『………そうだったんですか。』と咲


巧の作るラーメンは
評判になり
屋台から第1号店
そしてチェーン展開へと発展していくなかで
家庭を省みないで仕事をしていくなかで
巧を支えていた妻の桜【ｻｸﾗ】が亡くなり
娘の郁代との関係も悪くなった……

そして今
郁代と婿の濃【ｱﾂｼ】により
会社をなかば強引に
『父さんももう歳だからのんびりしなさい!!』
という口実で
引退させられ老人ホームに入れられた…。

『もっと嫁に家庭にかまってあげるゆとりがあったらなぁ…。　こんな寂しい今はなかった気がするよ。』
と巧は呟いた