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『あら!!ヤダッ!!もう4時20分なの？私ったら、咲良くん…、あ!!ごめんなさい。咲良係長の顔を見てたら、なんだか懐かしすぎて、時間忘れちゃったなぁ……』

せっかく届けることには成功した
加賀太胡瓜だが
今からではとても開店予定の17時には
餡掛け風煮物は
作る時間がない………。

すると艶子は

『よしっ!!看板料理ができないと、今日はお店を開けないよね。思いきって休んじゃうぞっ!!　
ねえ、夕飯一緒にどう？』
と満を誘った。

満は
『あ――――お気持ちは嬉しいのですが…
ちょっと昨日は家に帰れなかったので、今日は早めに帰るつもりで…』
と申し訳なさげに答えた。

艶子は残念そうに
『そうだったんだね？昔から仕事頑張り屋さんだもんね…満くん、あ…咲良係長は…』
と満を優しい瞳でみつめて
囁いた。

『そういえば…。咲ちゃん元気？あの可愛い奥さん!!私たちも結婚式に呼んでもらえたからよく覚えてるわ。お人形みたいに可愛い女の子だったよね!!　お子さんは生まれた？最後に会えた3年前はまだだって行っていたけど…』
と艶子…

満は
『残念ながらまだなんですよね』と
苦笑いしながら
満は答えた。

『あれれ？そうなの？仕事ばかり頑張ってないで家族を増やさないと。　私みたいにもしもどちらかが急死してから後悔しても始まらないよ』
と艶子。
艶子の旦那
満と咲の結婚式の1年後に
交通事故で急逝していたのだ。

『あんまり、咲ちゃんを放っておくと、そのうち浮気されちゃったりするよ。咲ちゃん可愛いから、回りの男たちが放っておかないよ!!』
艶子の言葉に

―――咲が浮気するような肉食系なら
きっと
俺の性欲ももっとそそられるだろうに…
昨日の美空ちゃんみたいに………

そう思うと
ちょっと満は苦笑いしてしまった。