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エロース …ときめき探求物語

第6章 キスの達人 

辰蔵は
『咲良さんは、よくみたら亡くなった婆さんの若い頃に雰囲気がにとるなぁ…』
そう呟くように
咲を見つめながらいったあと

再び押し入れのなかを
ガサゴソと探して
1枚のアルバムを咲に開いて見せてあげた。

―――あ~っ!!
確かに…!!

辰蔵のなくなった妻の郁代は
確かに華奢な身体つきに
長いまつげをたたえた
つぶらな瞳……

咲に似ていた。

『いやな…さっき洗濯物を取り込んでくれたじゃろ?あのときの慌てぶりも、婆さんの若い頃によくにてたんじゃよ』
辰蔵は嬉しそうに
そう咲に答えながら

古いアルバムに写る
若い頃の二人の思い出を咲に
楽しげに話したあと

ふぅ………………。
とため息をついて
『やっぱり一人は寂しいなぁ… 夫婦はお互いに空気みたいになっていても、二人で1つじゃな』
とニッコリ咲に
辰蔵は微笑んだ。


―――キュイ―――――………ン!!
咲の胸が
その言葉と辰蔵の寂しげな微笑みに
ときめいだ……。

気がつけば
咲の胸元の☆マークのシールがうっすらと
光りだしていた。

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