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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第2章 バーチャルな君と僕


彼の名前は『相葉くん』といった

話は何か?と聞いても
ただ、
『怪しい者じゃありません。僕に付いてきて欲しい、来てもらえればわかります』
としか言わなかった


相葉くんに連れて来られたのは、緑地公園のベンチ


「すみません、ちょっとここで待っててもらえますか?」

「うん、いいけど…」


まさか怖いお兄さんとか出てくるんじゃないだろうか?
この隙に帰ってしまおうか…
そう思った時


「何? ね、ちょっ…痛いって、まさ君!」

「いいから!」


後ろから声が聞こえて振り向くと
相葉くんと、相葉くんより一回り小さな高校生の男の子が
こちらに向かってきていた


「…ちょっと! どういうこと…!」

「どういうことって、こういう事だよ
ちゃんと話さなきゃなんも解決しないだろ!」

「…あの! 喧嘩は良くないよ、うん、」


二人が喧嘩を始めたのかと思って
仲裁しようとすると


「俺、行くから。
ちゃんと向き合わなきゃ。ね、かず」




かず…?




相葉くんは僕に深く頭を下げて
『かず』と呼ばれた男の子だけを残して行ってしまった


「あの…?」


俯いたままの男の子に声をかけると
彼は意を決したかのように顔を上げた




…あれ……?

何処かで見たことのある顔…






「……サトくん…、」





え……?


もしかして
もしかして、君は……






「…カズ…ちゃん……?」


僕の問いに
彼は小さく頷いた

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