びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】
第1章 かりそめの遊艶楼
❦雅紀Side❦
「慧。すまないが後のこと頼めるかい?
…ちょっと気分が優れないんだ
少し休んでくる」
「はいっ!お任せください。
あの、雅紀さん…」
「…うん?」
「あんまりご無理されないでくださいよ…?」
きっと青白くなっているであろう俺の顔を見て
慧が心配そうに眉を下げる
「ありがとう
少し休めば良くなるよ」
とてもじゃないけど
このまま何食わぬ顔をして勤務を続ける余裕はなかった
『ここの魅陰を…身請けできるって、本当か?』
櫻井様の、期待に満ちた目。
「クソッ! クソッ…!」
イライラの矛先は何の罪もないクッション
コイツを殴り付けて憂さ晴らしをする為に自室に籠ったなんて
情けないな…
まだ三度目だぞ?
たった三回、和也に会っただけで
もう身請けしたいって…?
だいたいあの方が身請け制度のことを知ってるってことは
和也から情報を得たとしか考えがつかない
つまりなんだ
和也の方から身請けしてくれって頼んだのか
『雅紀さんがお付き人で良かった』
『僕が立派な魅陰になれば
雅紀さんにもご恩返しが出来ますか…?』
和也…
俺の手から離れて行かないでくれよ…
何時までも此処でこうしている訳にはいかないと、重たい腰を上げて自室を出た
「見回り…行かなきゃな」
3階の太夫部屋に上がる階段を登り
角を曲がろうとした時、光一とすれ違った
どうして光一がこんな所に…?
俯いたまま挨拶もせず階段を駆け下りる光一を不審に思い
思わず声をかけた
「光一」
俺の姿が見えていなかったんだろうか
ビクッとその背を震わせゆっくりと此方を振り返った
何故、泣いてる…?
「光一…? 何があっ…」
「何もございません、失礼致します」
いつもとは様子の違う光一に疑問を抱きつつも
廊下を進もうとすると
その先に2つの影が見えた
えっ…?
そこにあったのは
目を閉じて抱き合う、お付き人の智也さんと太夫の神楽の姿
智也さんと、神楽が…?
さっき光一が泣いていたのは
これを見たせいか…?
「智也様、ここでは人に見られてしまいます、」
「構わないよ」
「いけません、」
「神楽…」
「そんな風に呼ばないで…?」
「あぁ…秀明」
そうか
この二人は想い合っていたのか
「慧。すまないが後のこと頼めるかい?
…ちょっと気分が優れないんだ
少し休んでくる」
「はいっ!お任せください。
あの、雅紀さん…」
「…うん?」
「あんまりご無理されないでくださいよ…?」
きっと青白くなっているであろう俺の顔を見て
慧が心配そうに眉を下げる
「ありがとう
少し休めば良くなるよ」
とてもじゃないけど
このまま何食わぬ顔をして勤務を続ける余裕はなかった
『ここの魅陰を…身請けできるって、本当か?』
櫻井様の、期待に満ちた目。
「クソッ! クソッ…!」
イライラの矛先は何の罪もないクッション
コイツを殴り付けて憂さ晴らしをする為に自室に籠ったなんて
情けないな…
まだ三度目だぞ?
たった三回、和也に会っただけで
もう身請けしたいって…?
だいたいあの方が身請け制度のことを知ってるってことは
和也から情報を得たとしか考えがつかない
つまりなんだ
和也の方から身請けしてくれって頼んだのか
『雅紀さんがお付き人で良かった』
『僕が立派な魅陰になれば
雅紀さんにもご恩返しが出来ますか…?』
和也…
俺の手から離れて行かないでくれよ…
何時までも此処でこうしている訳にはいかないと、重たい腰を上げて自室を出た
「見回り…行かなきゃな」
3階の太夫部屋に上がる階段を登り
角を曲がろうとした時、光一とすれ違った
どうして光一がこんな所に…?
俯いたまま挨拶もせず階段を駆け下りる光一を不審に思い
思わず声をかけた
「光一」
俺の姿が見えていなかったんだろうか
ビクッとその背を震わせゆっくりと此方を振り返った
何故、泣いてる…?
「光一…? 何があっ…」
「何もございません、失礼致します」
いつもとは様子の違う光一に疑問を抱きつつも
廊下を進もうとすると
その先に2つの影が見えた
えっ…?
そこにあったのは
目を閉じて抱き合う、お付き人の智也さんと太夫の神楽の姿
智也さんと、神楽が…?
さっき光一が泣いていたのは
これを見たせいか…?
「智也様、ここでは人に見られてしまいます、」
「構わないよ」
「いけません、」
「神楽…」
「そんな風に呼ばないで…?」
「あぁ…秀明」
そうか
この二人は想い合っていたのか
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