テキストサイズ

びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第1章 かりそめの遊艶楼


「ぁぁっ…!」

「…痛かったか?」

「いえ、そうではありま…んぁっ…!」


優しい指の運び
真に気持ちが良くて
なれどそれだけでは足りなくて、


「翔様っ…もっと、もっと深いところまで…」

「ん。俺の上に乗ってごらん?」


桐椅子に座る翔様のお膝の上に跨がるようにして乗り
その首に手を回して口付けると
その体勢がまるで此方が誘っているかのようで


「お、お恥ずかしいです…」

「大丈夫だよ、誰も見てないから…
見てるのは俺と月だけだよ?」


大きく開けた窓からは
まぁるいお月様がよく見える


「和也の可愛いところも淫らなところも
全部見せて…」


クチュクチュと音を立てて
翔様の指がバラバラと動く


「はぁっ、ぁ…ん…も、お願っ…!」

「あぁ…俺ももう限界だ」


軽く腰を浮かし、翔様の熱いそれを受け入れると
自らの体重でズブリズブリと飲み込んでいった


「…動くよ?」

「あぁっ…しょ、ぁ、ぁ、んっ…!」


「はぁっ、はっ、和也っ…!」

「んんっ…!翔さ、ぁぁっ…!」


片手でスッと椅子を退かし
桐床の上に直に寝そべると
僕を乗せたまま、何度も下から突き上げた


「ぁ、ぁ、も、ダ…ダメ…っ!」

背中を反らせ
気付けば自身を握り込みながら快感に身を委ねていた


「…イくよ、一緒に…!」

「あぁぁっ…!」


同時に昇り詰め
クタッと翔様の胸に身体を預けると
抱きしめ合って共にその余韻に浸った



「翔様…」

「和也…」


「私は本来、もっとご奉仕せねばならぬ身ですのに…」

「何言ってんだ…俺は客じゃないぞ?」

「えっ…?」

「恋人に会いに来てるんだ
奉仕なんて考えなくていい」

「でも…」


翔様が僕を上に乗せたまま
よいしょ、と身体を起こすと
腕を伸ばして桶に掬った湯をかけ、汚れた身体を洗い流してくれた


「俺といる時は素のままの和也でいて欲しいんだよ」

「…素のままの、私…」


チュ、と軽く触れるだけの口付けをすると
僕を抱きかかえて湯船に浸かる


「真に、幸せで御座います…
まるでお姫様のようで…」

「和也姫だな?」

「もうっ!」

「可愛いよ、和也姫」


また二人でクスクスと笑い
笑い合ったまま風呂を出ると
居間に戻って冷たい茶を飲みながら
ピタリと寄り添い、二人だけの甘い甘い時を過ごした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ