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【銀魂】神楽総受け 短編集

第1章 【沖神】 はじめの一歩


地球。江戸の中にある活気溢れる町。歌舞伎町。

そこで、営む万事屋。そこの看板娘である神楽は、今日も今日とて紫色の番傘を勢い良く開き外に飛び出す。
目的地はいつもの公園。

公園に着き、特等席のベンチ(唯一日陰)を目指す。ベンチの近くまで来た時、そこは既に誰かが座っていることがわかった。真っ黒い隊服に栗色の髪の毛。趣味の悪いアイマスク。いつも会えばすぐに喧嘩になり、まともに話したことすらない。まぁ、まともに話したところで良いやつでもなんでもないのだろう。 でも、どこか心の隅で普通に、唯の友達みたい話してみたい、遊んでみたいという思いがあることに最近気付いてきた。それが、恋心なのだと神楽が知るのは少し先のこと。

いつもの様に、奴...沖田総悟の頭に銃口を向ける。

神楽「おい、そこは歌舞伎町の女王神楽サマの特等席アル。今すぐどくヨロシ!」

沖田「んっ...うっせーなァ。ここは公共の場所で、コレは公共の物でィ。俺は疲れてるんでィ。どっかに行きやがれ。クソチャイナ。」

神楽「ふざけんなヨ。お前お巡りさんダロ。民の税金ふんだくっといてこんなとこでおサボりしてんじゃねーアル。さっさと働け税金ドロボー!」

沖田「てめぇ、税金払ってねーだろ。...分かった。隣に座っても良いから、肩貸せィ。何日も眠ってなくて限界なんでぃ、寝たら喧嘩の相手してやっから。」

神楽「誰もお前の隣に座ることなんざ望んでねーアル。良いからどくヨロシ。」

そんな事を言ってはいるが、神楽はそこまで鬼ではない。意外にも大人しく沖田の隣に座ってお気に入りの番傘を隣に立て掛けた。
何故、大人しく座ったのか。神楽自身もよく分からなかった。いつもなら、自分の怪力で無理やりでもどかして、座ってやるのに、今日は...いや、最近はそれが出来ない。沖田に言われると無理強い出来ないのに、どうしてだろう。最近自分がおかしい。
喧嘩の最中も沖田の手が頭や肩腕に触れると心臓がドキドキと爆発しそうなほど膨れていく。前はこんなことなかったのにとアイマスクをつけていない、沖田の寝顔を見ながら思った。
微かな風にサラサラと揺れる沖田の栗色の髪の毛。思わず手を伸ばして触れそうになったが、そんな事をしたら馬鹿にされるし、こんなこと自分らしくないと思って寸前で止めた。
沖田総悟は秀麗な見た目から巷では噂が途絶えなかった。

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