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【銀魂】神楽総受け 短編集

第1章 【沖神】 はじめの一歩

下町の女の間でも、真選組一番隊隊長という役柄と、甘いマスクで沖田に夢中になる人も少なくはない。
少しだが、その噂に神楽も嫉妬をしていた。その気持ちは神楽自身何なのかは分かっていないけれど、自分の心がどんどん黒い靄みたいなのに覆われていくことに恐怖を感じた。
沖田が、職務中に女の人に優しくしているのを見ると、私にも優しくして欲しい。なんで私にはその笑顔を見せてくれないの。神楽は気付いていたのかもしれない。自分でも認識できない心の奥に、恋心を。
沖田に対してのこの気持ちが恋愛の好きだということに。

規則正しい寝息を立てる沖田を見つめる。
もうすぐ成人する男性とは思えない端正な顔立ち、長い睫毛。
こんなにも近くにいるのに。振り向いてもくれない。目も見てくれない。笑顔も見せてくれない。妬いてしまうではないか。本当にこいつはドSだ。
こんなにも思っているのに、自分の気持ちは届かない。神様、ひどいアル。あぁ、私は沖田が——

神楽「——好き。」

いつの間にか声に出ていた本音。
ハッとして口を押さえた時にはもう遅かった。
いつから起きていたのか、沖田は紅い目を見開きその顔は耳まで真っ赤に染まっていた。
その顔を見た神楽は、自分が口走った言葉、今の状況がやっと頭に入ってきたのか沖田以上に顔を真っ赤にさせ、

神楽「あ...!あぁぁっ....//// えと...これは....!」

焦りすぎて声が裏返る。

沖田「へっ...?お前っ...今...?」

頭の中がゴチャゴチャしてうまく考えられない。神楽は、番傘をそのままに真っ赤な顔のまま走り出して、去ってしまった。
取り残された沖田は、未だ状況が分からず。
突然の想い人からの告白(?)呆然としているだけだった。

——翌日。公園に大事な番傘を置いてきてしまった事を思い出し昨日の公園へ向かおうと万事屋の扉を開けた時。
なんと、目の前にいたのは昨日の誤って自分の気持ちを伝えてしまった、沖田総悟が壁に背を預け立っていた。

沖田「よぉ....。」

神楽「っ!よ、よぉ....。(気まずい...)」

神楽「な、何しに来たんだヨ。昨日のこと...馬鹿にしに来たのカ。」

沖田「は?そんな事しねぇよ。折角好きな奴から一番欲しい言葉をやっと貰えたっていうのに、馬鹿にしなきゃならねぇんですかィ。」

神楽「へっ......?」


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