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君がいるから~Sweet Life~

第8章 f


「何か…突然すぎて頭が追い付かない」
智が困ったように笑う

でも、無理して笑ってるのは分かった

「ゆっくり考えて、…智が納得する答えが出るまで」

「ん…」
智の目が、潤んでくる
滅多に見せない涙に、これがすごく大きな事なんだと思い知らされた

「どんな答えでも、受け止めるから」

「うん…」

「愛してる気持ちは絶対変わらないから」

本当はね、無理矢理でも連れていきたい
智と離れたくなんかない

でもね、やっぱりそれは出来ないんだよ
智の心を潰したくないんだ


俺は席を立って、智のうしろに回って
その体をきつく抱き締めた

…俺も泣きそう
まだ何も答えなんて聞いてないのに


背中から回した腕に、ポタリと水滴が落ちた

「……っ」
智の肩が小さく震えている

「ごめん、智…」

「……」

「愛してる」

「…うん」

「絶対…変わらないから」

俺の目からも、涙が溢れてきた



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