君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
でも、何でどれもこれも1つずつ?
二人なんだから2つ買えばいいのに。
「…全部1こずつ?」
勝手に想像するより
そのまんま、ストレートに聞く方が早い。
「え、だって色々あるからさ」
「まあね」
「せっかくなら色々食べたいから、半分こなら食べれるかなって」
「ああ」
そう言うことか。
翔ちゃんのそう言う考え方
俺は持ってない。
なんか面白いな。
「あ、俺これ食いたい」
でっかいさつま揚げ
「これね、玉ねぎが入ってるやつ」
「へー」
顔の半分はありそうな長方形。
ガブッとかじる。
「うん、うまい」
「ホント?」
いきなり、翔ちゃんが顔を近付けて
横からそれにかぶりついた。
…俺が食べた場所から。
予想してない時の至近距離は
まだ慣れない。
「ちょっと…」
また顔が赤くなる。
恥ずかしくなる。
って、違う!そうじゃなくて
ここ、家じゃないから!
男同士でこんな事してたら
好奇の目に晒されるっての!