君がいるから~Sweet Life~
第9章 3×e
潤が、店があるからと先に帰った
そろそろ出発時間も迫っている
「雅紀、にの…そろそろ行かなきゃ」
俺がそう言うと
「あ…ホントだ」
翔ちゃんが腕時計を見て立ち上がった
「運ぶの手伝うよ」
雅紀が段ボールを持ち上げる
ありがたくお願いして、車にそれを積んでもらった
最後にもう一度、何故か4人で中を確認して
玄関の鍵を掛ける
…カチャリ、と閉まる音がやけに悲しく感じた
俺の車は一足先に向こうに置いてきてるから
翔ちゃんの車に二人で乗り込む
「元気でな、雅紀、…二宮」
「ありがとな、雅紀、にの」
やべ、涙出てきた
泣かないって決めたくせに
…って、見たら全員泣いてるし
仕方ないか
それだけ仲良くできてたんだ
雅紀がにのの肩を抱いている
それにくっつくようにしながら、にのが唇を噛み締めていた
「別れんなよ、お前ら」
ふざけるように、涙目で笑って見せたら
「絶対ない!!」
雅紀が力強く叫んだ