君がいるから~Sweet Life~
第9章 3×e
せっかくだから、もっと驚かせたい
そう言って雅紀と二宮がクローゼットに隠れた
5分もしないうちに聞こえてたのは、甘い声と聞き覚えのある吐息
ー…あいつらめ
「人んちで盛るな!」
とりあえずクローゼットを蹴ってから
1人、派手に飾り付けられた部屋で智を待った
控えめな玄関の鍵を開ける音が、静かな部屋に響き渡る
おとなしくなった雅紀たちに“帰ってきたぞ“ と小声で伝え、智が入ってくるのを今か今かと待ちわびた
「翔ちゃん今日は早か…」
リビングのドアを開けながら、“疲れたー“ なんて言いながら入ってきた智は
中を見るなりその場に固まった
「おかえり」
「なに…これ
…翔ちゃん頭打った?」
「何でだよ!」
智の物言いに思わず突っ込む
「だって…」
「智、今日が何の日か分かる?」
「え、土曜出勤…」
「そうじゃなくて」
素で分かってない、首を傾げる智
この飾り付けを見ても気付かないのかよ…
「えー?んー……あ!!」
「分かった?」
「ラスト◯ップがある!」
「…おい」